車検をユーザー自身が受検することを、ユーザー車検と言います。
素人の筆者がユーザー車検に出した経験をもとに
皆さんも、チョットだけお得になりましょう。
メリット:車検費用が安くなる。
車検の知識が身につく。
デメリット:手間と時間がかかります。
時間のない方や費用を気にしなくていい方は、
最寄りのディーラーにお願いいたしましょう。
気になる車検費用の項目は、下記の4点です。
自動車の持ち主が必ず加入しなければならない、対人保険の保険料です。
自賠責保険の保険期間は、車検有効期間をカバー(車検有効期間より1日でも多く保険に加入)する必要がある為、車検の際には次の車検有効期間をカバーした加入(自家用乗用車の場合は24ヵ月)が必要となります。車検が切れていて自賠責保険の期間も切れてしまっている場合は、1ヵ月分多く加入(自家用乗用車の場合は25ヵ月)する必要があります。
予約を行えば、全国どこの運輸局でもユーザー車検を受けることが可能です。ここでは運輸局での検査の流れや、注意点などを掲載しています。
下記のユーザー車検を受ける前準備とユーザー車検当日の流れより、ユーザー車検の要点をご確認下さい。
掲載内容は地域によって若干違いのある場合がございます。ユーザー車検を受ける前に予め、受検予定の運輸支局にてご確認下さい。
検査手数料
運輸支局で車検を受ける際の手数料です。車検証の自動車の種別の区分で、手数料が異なります。小型の場合は1,700円、普通の場合は1,800円となっています。
自動車の区分や重量、経過年数に応じて課税され、車検や新規登録(新車登録、またはナンバーの付いていない中古車の登録)の際に納める税金です。自家用乗用車の場合は、車両重量0.5トン毎に税額が増加します。
なお、2021年4月30日まではエコカー減税の施行により、免税(0円)や減税の対象車もありますので、車検費用計算ツールより税額をご確認下さい。
2年(車検実施時)の自家用乗用自動車(定員10人以下)の自動車重量税額一覧
車両重量 |
2年(車検実施時) |
エコカー減免適用 |
エコカー減免無し |
エコカー (本則税率) |
エコカー以外 |
免税 |
13年未満 |
13年経過 |
18年経過 |
~500kg以下 |
0 |
5,000 |
8,200 |
11,400 |
12,600 |
~1,000kg以下 |
0 |
10,000 |
16,400 |
22,800 |
25,200 |
~1,500kg以下 |
0 |
15,000 |
24,600 |
34,200 |
37,800 |
~2,000kg以下 |
0 |
20,000 |
32,800 |
45,600 |
50,400 |
~2,500kg以下 |
0 |
25,000 |
41,000 |
57,000 |
63,000 |
~3,000kg以下 |
0 |
30,000 |
49,200 |
68,400 |
75,600 |
点検整備料・車検代行料など
車検を依頼するお店や整備内容によって、異なってくる費用です。
ご自分でユーザー車検を受ける場合で、車検に合格する車両状態の場合は不要です。
お店に依頼する場合は、この他に点検整備料や車検代行料などが追加されます。
ステップ①
まずは車検を受ける車が車検に合格する基準に達してないといけません。
筆者のような素人では解らないので、ひとまずディーラーで車検の見積もりをもらいます。前のページに記載した通り、何社か相見積をもらって比較するのが良いでしょう。
見積もり上で必要な修理項目を選定してください。
筆者は、ブレーキオイルの交換は必ず行います。2年に一度の交換は必要になるそうです。ブレーキ系は故障すると怖いのでオイルの交換は必ず行っています。
次に、ライトの光軸調整も業者で行ってもらっております。機械でライトの照度と方向のテストを行うので個人では無理です。
最低限で上記の2項目を行います。料金は概ね1万円前後ではないでしょうか?
車検に通るための整備は確実に済ませておきましょう。
初めての車検場で不合格にならないようにしましょう。
仮に不合格になった場合は運輸支局近くの予備検査場に持ち込みましょう。
-
運輸支局の近辺には、運局輸支で行う車検項目と同じ内容の検査を、本番前に行っておける民間の検査場(有料)があります。この検査場を「予備検査場」と言います。
-
予備検査場で予め、サイドスリップ検査・調整、各ブレーキ・スピードメーター検査、ライトの光軸検査・調整、排気ガス検査・調整を行ってもらい、自動車の状態を確認・調整します。
利用料金は、1,500円~3,500円ぐらいが一般的です。(地域によって予備検査場が存在しない場合や、一般の方はお断りという場合もありますので、事前に確認が必要です。)
また、こちらの予備検査場で調整不能な不具合が発見された場合は、車検の合格が難しい状況になったとお考え下さい。(予備検査場のスタッフの方に相談を行い、修理をしてから再度出直すか、とりあえず運輸支局で車検を受けてみるかの判断を行ってもらうことが賢明です。)
ステップ2
①次に国土交通省のホームページから車検日時の予約を入れます。
検査予約システム-予約トップ
②:アカウント登録をする
「新規アカウント登録」をクリックして、アカウント登録ページを開きましょう。
必要事項を入力すると、登録したメールアドレス宛にメールが届きますので、本文中にあるURLをクリックすることでアカウント登録は完了します。
③:ログインしてトップページを開く
ログインしてトップページを開いたら、左側にある「検査の予約」をクリックしましょう。
予約ページに進むことができます。
④:ユーザー車検をする陸運局を選ぶ
次に、実際にユーザー車検をする陸運局と、車検の種類等を選びましょう。
ほとんどの方は、「継続検査」になると思います。
⑤:ユーザー車検をする日時を選ぶ
最後に、ユーザー車検をする日時を選びます。
- 当日予約は午前のラウンドは当日8:00まで、午後のラウンドは当日12:00まで受け付けています。
- 15日先(土・日・祝含む)までの予約が可能です。
平日の午前・午後しか受付をしていませんのでご注意ください。
また、車の「型式」などを入力する必要があるため、車検証を手元に準備しておきましょう!
以上の登録から車検日時の予約までをホームページ上で進めてください。
24時間受付可能なので便利がいいですね。
⑥:「予約番号」はお忘れなく
指定した日時で予約ができると、確認メールが届きます。
予約時に発行される「予約番号」は、ユーザー車検当日に必要になりますので、
すぐわかるようにしておきましょう。
ステップ3
運輸支局で用紙の入手・作成
予約当日の運輸支局での説明になります。
ご自分でユーザー車検を受ける場合の車検必要書類
4使用者の認印
- 5~7の書類は、車検当日に用意すれば結構です。
2の自動車損害賠償責任保険証明書は、車検を受ける前までに保険期間の継続手続きを行って下さい。(車検当日、運輸支局近辺の代書屋さんでも手続き可能)
3の自動車税納税証明書(継続検査用)は、下記2つの条件を満たしている場合に省略できます。
-
・運輸支局場内の印紙・証紙販売窓口で、自動車重量税額分と検査手数料分の
印紙・証紙を購入します。
・購入した印紙・証紙をそれぞれの書類に貼り付けます。
(自動車重量税印紙は自動車重量税納付書、検査手数料印紙・証紙は自動車検査票)
-
-
新たに車検を取ると車検有効期間が延長されますが、同時に自賠責保険の保険期間も延長しなければなりません。保険期間は必ず、延長された車検有効期間より1日でも多く加入する必要があります。
-
自賠責保険の継続加入の手続きは、運輸支局近辺の代書屋さんなどで取り扱っています。車検証と現在加入中の自動車損害賠償責任保険証明書をご持参の上、代書屋さんなどで手続きを行って下さい。個人でも記入はできますが、保険が下りないなどのトラブルを避けるため、記入漏れや、印鑑押印漏れがないように気を付けてください。筆者は自分で記入・提出します。
下記の表は、自賠責保険料金の一覧を表したものです。
車検の際は、通常24ヵ月の加入を行います。車検が切れていて自賠責保険の期間も切れてしまっている場合は、25ヵ月の加入となります。
新車購入時は車検が3年の為、車検有効期間をカバーする37ヵ月の加入が必要となります。
自賠責保険料一覧(離島・沖縄を除く)
車種 |
保険期間 |
37ヵ月 |
36ヵ月 |
25ヵ月 |
24ヵ月 |
13ヵ月 |
12ヵ月 |
1ヵ月 |
自家用乗用自動車 |
36,780円 |
35,950円 |
26,680円 |
25,830円 |
16,380円 |
15,520円 |
5,870円 |
2020年4月1日現在
納税確認
自動車税納税証明書(継続検査用)を自動車税事務所などの納税確認窓口に提示します。自動車税納税証明書(継続検査用)に問題がなければ、きちんと納税されている旨の押印をもらえます。
車検の受付
運輸支局内のユーザー車検受付窓口に書類一式を提示します。また、ユーザー車検予約を行った際に発行された番号(予約番号)を窓口の職員へ伝えます。
書類に不備があった場合は、こちらで指摘を受けますので修正して下さい。
ステップ4
検査コース
書類手続きが終わると、いよいよ自動車に乗り、検査コースで受検を行います。
1回の検査申請による検査コースへの入場回数は、3回までと制限されています。
検査コース(車検場)の流れ
運輸支局(車検場)で行われる自動車の検査とは、どの様な内容で、どんな手順で行うのか?
検査の項目と検査コースの手順と注意点より、検査コースの流れをご確認下さい。掲載内容は地域によって若干違いのある場合がございます。ユーザー車検を受ける前に予め、受検予定の運輸支局にご確認下さい。
検査コースの手順と注意点
検査コースは、現在2種類のコースが用意されています。こちらでは初めての方に向いている、マルチコースと呼ばれる検査コースの流れを掲載しています。
検査コースに入る前にタイヤのホイールキャップ、もしくはセンターキャップを取り外しておいて下さい。
-
1同一性の確認
まず最初に行われるのが、検査コース入口での同一性の確認です。
検査官と呼ばれる職員が近づいて来ましたら、自動車のボンネットを開けて車検証を含む書類を提出します。車両に打刻されている車台番号とエンジンに打刻されている原動機型式から、提出した書類と自動車が同一であるかの確認が行われます。
その他の同一性の確認(車検証記載の内容から変更や改造が行われていないか)については、2の外廻り検査内で行われます。
-
2外廻り検査
続けて検査官の指示により、外廻り検査を行います。
通常、自動車の前方から、ヘッドライトをスモール → 全光と順番に点灯させ、ハイビーム・ロービームの切り替え、さらにウインカーを左右順番に点灯させます。
検査官は前方を確認後、自動車の後方へ向かいながら、タイヤのホイールナットをハンマーで叩き、打音を通じてナットに緩みがないかの確認を行います。
検査官が自動車の後方へ移動しましたら、テールランプの点灯、ブレーキを踏みブレーキランプの点灯、ギアをリバースへ入れバックランプの点灯を行います。また、再度ウインカーを左右順番に点灯させ、最後にハザードランプを点灯させます。
外廻り検査、同一性の確認に問題がなければ、自動車検査票に外廻り検査合格の押印がされます。
-
3サイドスリップ検査
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コース内での最初の検査は、サイドスリップ検査と呼ばれる、前輪タイヤの横滑り量を測定します。
横滑り量とは、ホイール・アライメントに関わる項目で、調整が行われていないとタイヤの偏磨耗(片減り)や直進安定性に支障をきたします。こちらの調整は予備検査場(テスター屋さん)でも可能です。
検査方法は、検査コースのラインにタイヤを合わせ、ゆっくりと写真の鉄板の上を走行します。この時ハンドルを切ると正確に測定ができませんので、ハンドルは切らず真っ直ぐに前進して下さい。
鉄板の上を通過して、前方の電光表示機に「○」が表示されれば合格です。
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4ブレーキ検査
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サイドスリップ検査を終えたら一旦停止線で止まり、前方の電光表示機に「ゆっくり前進 前輪停止線で止まる」と表示されるまで待機します。
表示がされたらラインに合わせゆっくりと前進し、4輪をテスタ(ローラー)の上に乗せます。乗せ終わりましたら、ギアはニュートラルへ入れておきます。エンジンは切らないで下さい。
4輪とも指定の位置に載るとテスタが沈み、ブレーキの検査が開始されます。ブレーキを踏むタイミングは、前方の電光表示機に従って下さい。
前後のブレーキと駐車ブレーキの測定後、前方の電光表示機に「○」が表示されれば合格です。
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5スピードメータ検査
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ブレーキ検査を終えると、続けてその場でスピードメータ検査に移行します。
前方の電光表示機に「40キロでパッシング」と表示されたら、ゆっくりとスピードを上げていって下さい。この時、ハンドルは真っ直ぐしっかりと握っておいて下さい。ハンドルから手を離すと、車両がテスタから飛び出し、大きな事故に繋がる危険があります。
スピードメータが40キロを指したら、パッシングを行って下さい。基準範囲の誤差であれば「○」が表示されます。
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6ヘッドライト検査
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スピードメータ検査を終えると、続けてその場でヘッドライト検査に移行します。
電光表示機に指示に従い、ヘッドライトをロービームで点灯させて下さい。
前方の左右からヘッドライトテスタが現れ、ヘッドライトの光量・光軸の測定を開始します。基準範囲内であれば「○」が表示されます。
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7自動車検査票に記録
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ヘッドライト検査が終了しましたら、電光表示機の指示に従い自動車をテスタから出し、次の停止線まで前進します。
停止線で自動車を停止させ降車すると、3~6までの検査結果を印字する記録器が設置されています。記録器に自動車検査票を挿入し、記録を行って下さい。
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-
記録を終えると、続いて排気ガス検査を行います。
記録器の横に設置されている、排出ガス検査機器から伸びている写真のプローブを自動車の排気管(マフラーの出口)に差し込みます。
こちらでは、排気ガスに含まれる、CO(一酸化炭素)と、HC(炭化水素)の濃度を測定しています。なお、ディーゼル車はこちらの排気ガス検査は行いません。別途、ディーゼル車専用の排気ガス検査を行いますので、検査官の指示に従って下さい。
前方の電光表示機に「○」が表示されれば合格です。プローブを抜き出し、元の位置へ戻します。
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9自動車検査票に記録
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排気ガス検査のプローブを元に戻しましたら、排気ガス検査の結果を印字する記録器に自動車検査票を挿入し、記録を行って下さい。
記録が終わりましたら、自動車を前進させます。
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10下廻り検査
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ゆっくりラインに沿って前進させ、中央が空洞になっている検査機器の「停止位置」にタイヤの前輪を乗せ、エンジンを切ります。この時ギアは、ニュートラル、もしくはパーキングに入れて下さい。駐車ブレーキは引かないで下さい。
検査が始まると、自動車が左右に揺れ出し、斜め前方の電光表示機に指示が表示されます。その指示に従い、ブレーキを踏んだり、サイドブレーキを引いたりといった操作を行って下さい。
電光表示機に「○」が表示されましたら、エンジンをかけ自動車を前進させます。保安基準に適していない不具合などがあった場合は、検査官からマイクを通じて呼び出しされますので、指示に従って下さい。
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11自動車検査票に記録
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下廻り検査を終え自動車を前進させると、下廻り検査の結果を印字する記録器が設置されています。記録器に自動車検査票を挿入し、記録を行って下さい。
検査は以上で終了となります。
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12総合判定ボックス
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全ての検査が終了しましたら、検査コース出口の総合判定ボックスに書類一式を提出します。
こちらで検査の総合判定を行い、問題がなければ自動車検査票の右下「審査結果通知欄」に合格の押印がされます。
どこかに問題があった場合は、自動車検査票に問題箇所の内容が記入されます。その場合は問題箇所の是正を行い、再度受検を行います。1回の検査申請による検査コースへの入場回数は、3回までと制限されています。
掲載内容は地域によって若干違いのある場合がございます。ユーザー車検を受ける前に予め、受検予定の運輸支局にご確認下さい。
係員の方が親切に支持を出してくれます。
したがって検査を済ませてください。
ステップ5
車検証の交付
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無事に検査が合格であれば、書類一式を車検証交付窓口へ提出します。窓口で新しい車検証とステッカー(検査標章)の交付を受け、ユーザー車検終了となります。
検査に合格しなかった場合は、不適合箇所の整備を行った後に再検査を受けることになります。
再検査の内容は、不適合とされた検査日から2週間以内に受ける場合と、その2週間を超えてから受ける場合とでは検査項目が変わってきます。
2週間以内であれば、不適合箇所に関わる検査項目のみの受検となります。その場合、予め不適合の指摘を受けた検査日に限定自動車検査証の申請を行い、交付を受けておく必要があります。
限定自動車検査証とは、保安基準に適合していない箇所が記載された書類です。交付してもらうことにより、2週間以内に再検査を受ける場合は、不適合箇所に関わる検査項目のみの受検で済みます。限定自動車検査証の交付は無料となっていますが、後日、再検査を受ける際の検査手数料に1,300円かかります。
また、不合格となったことで車検が切れてしまう場合は、想定していた車検有効期間が変わってしまうことになります。その場合は、4の「自賠責保険の継続加入手続き」で継続加入した保険期間が、再検査で新たに取る車検有効期間をカバー(車検有効期間より1日でも多い保険期間に加入)できなくなってしまうケースがあります。そのケースに当てはまる場合は、できるだけ早く継続加入を行った代書屋さんなどに行き、保険期間の修正手続きをして下さい。
この修正手続きは、保険会社の処理が終わってしまうと修正不可能になってしまいます。修正が不可能になってしまった場合は、割高になりますが1ヵ月間のみ別途保険加入することになります。
2週間を超えて再検査を受ける場合は、改めて全ての検査項目を受けることになります。この場合は限定自動車検査証を交付してもらう必要はありません。
検査手数料は、改めて全ての検査を行いますので、小型車で1,700円、普通車で1,800円となります。
また、この場合も、継続加入した自賠責保険の保険期間が、再検査で新たに取る車検有効期間をカバー(車検有効期間より1日でも多い保険期間に加入)できなくなってしまうケースがあります。そのケースに当てはまる場合は、保険期間の修正手続きをして下さい。
不適合の指摘を受けた検査日当日に再検査を受けることができ、検査コースへの入場回数が3回に満たない場合は、限定自動車検査証の交付も再検査手数料も不要です。
車検は、国が定期的に個々の自動車の保安基準を検査するものであり、自動車の安全を保証するものではありません。必ず各自の責任において定期的に点検整備を行って下さい。